関連するSDGsのゴール

目次

  1. 地球温暖化が進むと、どうなるの?
  2. 地球温暖化の影響? 川崎市の気温の変化
  3. CO2排出量を減らす「緩和策」と変化する気候に備える「適応策」
  4. これからのエネルギー
  5. 脱炭素化に向けた川崎市の取組

1.地球温暖化が進むと、どうなるの?

二酸化炭素(CO2)を含む温室効果ガスが増え続けると、地球が必要以上に温まってしまいます。これを「地球温暖化」といいますが、二酸化炭素は石油や石炭などの化石燃料を燃やすと発生するため、工場でものを作ったり、自動車を走らせたりすることで空気中の二酸化炭素濃度は上昇し続けています。一方で、発生した二酸化炭素を吸収する森林やサンゴ礁は、伐採や開発により減少し続けています。

今のペースで二酸化炭素が増え続けていくと、2100年までに、世界の平均気温がおよそ5℃上がるといわれています。地球温暖化が進むことで、次のようなことが起こると予測されています。

2.地球温暖化の影響? 川崎市の気温の変化

グラフは川崎区内(大師)、中原区内、麻生区内の測定地点と、横浜市内にある横浜地方気象台の1年間の気温の平均(年平均気温)を表しています。

どの地点も、年平均気温は、年によってばらつきがありますが、長期的には上昇傾向を示しており、10年当たり約0.5℃の割合で上昇しています。また、年平均気温の上昇に加え、猛暑日(日最高気温が35℃以上の日)、真夏日(日最高気温が30℃以上の日)、熱帯夜(日最低気温が25℃以上の日)が観測される日も増えています。

3.CO2排出量を減らす「緩和策」と変化する気候に備える「適応策」

地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を減らす「緩和策」を続けながら、地球温暖化による水害や熱中症などへの影響に備えておく「適応策」に取り組むことが重要です。

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二酸化炭素を削減するために、
家庭でできることってなんだろう?

わたしたち一人ひとりができる行動として、節電などによって消費電力を少なくする「省エネ」があります。使っていない家電製品はこまめに消すなど、普段から「省エネ」を意識して家電製品を使うことが、二酸化炭素の削減につながります。

わたしたちのどのような行動が「省エネ」につながるか、考えてみましょう。

適応策例 1水害や土砂災害に備える

強い雨が降ったり、長い間雨が降り続けたりすると、河川の洪水、低い土地への浸水や土砂崩れなどへの注意が必要です。自分の住んでいる地域のハザードマップを見てみましょう。それをもとに、家族で、学校で、いつ、どこに、どうやって避難をするのか、話し合って確認しておくことが重要です。

専用サイトでくわしく見るには、画像をクリック!

適応策例 2熱中症に備える

気候変動の影響は、今まさにわたしたちの生活に大きな影響を与えています。 川崎市においても、年平均気温の上昇に加え、猛暑日や熱帯夜となる日が増加し、夏の暑さが厳しくなることで、熱中症のリスクが高まっています。 厳しい暑さに備えた熱中症の予防行動が重要です。

熱中症予防啓発のリーフレットより

4.これからのエネルギー

わたしたちが使っているエネルギー源はいろいろありますが、脱炭素社会の実現に向けて、エネルギーを作りだすときに二酸化炭素を排出しない「再生可能エネルギー」が1つのカギとなります。川崎市も再生可能エネルギーを市の施設に取り入れる取組を進めていて、実際に皆さんが通っている学校でも、令和7年4月現在で、ほぼすべての学校で再生可能エネルギー100%の電気を使っています。

再生可能エネルギーのひとつである太陽光発電は、太陽のエネルギーを活用して発電する方法です。太陽光発電は、二酸化炭素を発生させずに電気を作ることができるため、脱炭素社会の実現に向けて重要な発電方法です。

また、建物に太陽光発電設備を設置すれば、二酸化炭素を出さずに発電した電気で電気代を節約できるだけでなく、停電しても太陽の光があれば電気を使えるといった長所があります。川崎市では条例を改正して、市内で新しく建てる建物へ太陽光発電設備の設置を進めるルール作りを行い、令和7年4月から取組を始めました。

学校などの公共施設の屋上では、施設内で使用する電気を作るための太陽光発電設備の設置を進めているほか、省エネ効果の高いLED照明器具を新たに導入するなど、使用電力自体を抑えるための取組も行なっています。

川崎高等学校屋上
      

このほか、水素などの新たな二酸化炭素フリーエネルギーの活用も重要です。

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新しい太陽光発電設備「ペロブスカイト太陽電池」
―川崎でも進む新しい技術の研究・開発―

現在、主に使われている太陽光発電設備(太陽光パネル)は、「重い」「大きい」「硬い」といった性質から、屋根や地面などに多く設置されています。

近年、次世代の技術として、「薄い」「軽い」「曲げられる」という特徴を持った「ペロブスカイト太陽電池」が注目されています。実際に、この新しい技術が日常生活の中で使われるようになれば、例えば窓ガラスや壁面に組み込まれた太陽電池で発電できるようになり、再生可能エネルギーがより身近になり、私たちの生活が大きく変わる可能性があるのです。

この新しい技術の研究・開発に、川崎市内の企業も取り組んでいます。

ペロブスカイト太陽電池 イメージ
次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会
「次世代型太陽電池戦略」から抜粋

エネルギーとしての水素利用

水素は、再生可能エネルギーをはじめ多様なエネルギー源から製造が可能であり、利用段階で二酸化炭素排出が無いため、脱炭素化に資するエネルギーとして期待されています。また、川崎市臨海部は現在、国内全体の約1割に相当する水素を使用しています。

環境省「脱炭素化に向けた水素サプライチェーン・プラットフォーム」から作製
環境負荷の低減

水素は利用時に二酸化炭素を排出しないため、環境負荷を低減できます。再生可能エネルギーからつくる水素はさらに二酸化炭素削減効果が期待できます。

産業の活性化

地域の資源からつくった水素を、地域で利用することができれば地域の事業者が参画でき、地域産業の活性化につながります。

非常時にも活躍

災害時に既存の電力インフラが止まった場合でも、あらかじめ水素を貯蔵しておくことで、燃料電池等を通してエネルギーを供給できます。

電気と熱の2つのエネルギーを供給

水素は燃料電池を通して電気エネルギーだけでなく熱エネルギーも供給できるため、エネルギーの有効利用が可能です。

環境にやさしく災害時にも活用できる次世代自動車

次世代自動車は、二酸化炭素や大気を汚す有害な物質をあまり出さない、または全く出さない、環境にやさしい自動車で、電気自動車や燃料電池自動車、ハイブリッド自動車などがあります。

特に電気自動車や燃料電池自動車は電気を取り出すことができるため、地震や水害などの災害時での活用が期待されています。脱炭素社会の実現に向けてはさまざまな取組を行うことが必要で、次世代自動車を普及させることもその一つです。

そのためには、次世代自動車を選んでもらうことが必要となるので、川崎市では、電気自動車へ電気を入れるための充電器を市の施設に設置しています。また、イベントなどの場で、次世代自動車を実際に見てもらい、取り出した電気を使うところを体験してもらう機会を提供しています。

5.脱炭素化に向けた川崎市の取組

「脱炭素」とは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの排出量をゼロにしようとする取組のことをいいます。川崎市でも脱炭素化に向けて、川崎市と事業者の協力による施設面での取組をはじめ市民の意識改革のためのプロジェクトなどがすでに始まっています。

動画でチェック!

脱炭素アクションみぞのくち

高津区溝口周辺地域を脱炭素化の身近な取組の具体像を示すショーケースにすることを目指す取組が、『脱炭素アクションみぞのくち』です。 脱炭素化に向けた身近で先進的な取組を集中的に実施しています。その効果を感じてもらうことで、市民一人ひとりが環境について考え、行動することを期待しています。

川崎市からはじまる!水素社会

水素は、二酸化炭素を発生させずに電気をつくることができるため、石炭や石油に代わるエネルギーとして注目されています。川崎市では、水素エネルギーの積極的な導入と活用を目指した具体的な取組を始めています。

「川崎未来エナジー株式会社」の設立
-再生可能エネルギー「川崎産グリーン電力」の利用拡大に向けて-

わたしたちが出したごみを燃やす施設では、ただ燃やすだけではなく、燃やしたときに出るエネルギーを使って電気を作っています。この電気は再生可能エネルギー電力と呼ばれ、環境にやさしい電気の1つです。これを川崎市の中で様々な人に使ってもらうためには、市役所だけでなく、企業の技術や知識も大切です。そこで、企業と一緒に「川崎未来エナジー株式会社」を作り、川崎産の再生可能エネルギー電力(「川崎産グリーン電力」)を広める取組を行っています。令和7年4月現在、市内の小中学校などの公共施設248施設にとどけられています。

わたしたちが出したごみが、わたしたちが使う電気になることを広く知ってもらえるように、「ごみを電気に 川崎産グリーン電力」というロゴマークを作りました。ごみを捨てる時に分別すると、安定して「ごみを電気に」することができます。

2050年のまちの姿

川崎市の目指す2050年のまちとして、市民生活のイメージ、交通のイメージ、産業活動のイメージについて描きました。 カーボンニュートラルな社会は、製造・サービス・運輸・インフラなどあらゆる分野でデジタル化が進んだ社会によって実現されます。社会全体がサイバー空間とつながり、交通・生産・安全・医療などが総合的に最適化した「デジタルトランスフォーメーション」が実現した社会となっています。

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