こうした問題に対して市民が声をあげ、行政が厳しい規制をし、企業も努力した結果、公害問題は大きく改善されました。
しかし、光化学スモッグや海の水質などまだ課題も残っています。公害の歴史をくり返さないために、そして、わたしたちのまちを安心して快適にくらせるまちにしていくために、みんなで良好な環境を守っていくことが大切です。そのため川崎市では、市民や企業、市役所が協力しながら、取組を進めています。
市民の取組
川や水辺の保全活動をする
身近にある川や水辺をきれいにするために、川の清掃をしたり、木を植えたりするなどの保全活動を行っています。
大気や水の環境の大切さや公害の経験を伝える活動をする
環境学習などを通して大気や水の環境の大切さや公害の経験を次の世代の人たちに伝える活動を行っています。
企業の取組
工場から有害な煙・汚れた水を出さないようにする
工場から出る煙や排水にふくまれる有害な物質を取りのぞく装置をとりつけたり、有害物質を出さないような製造の技術などを日々研究したりしています。また、省エネルギー化に向けた取組などもすすめられています。
輸送するときは、環境にやさしい手段を選ぶ
原料・材料や製品を運ぶときは効率的な運送方法になるよう工夫して、できるだけ輸送時の排出ガスを少なくするようにしています。
市役所の取組
公害を防ぐための決まりをつくり、検査する
工場から出る煙や水の決まり(法律や条令)をつくり、新しい施設をつくる ときに、その決まりが守れるか確認しています。また、工場から出る煙や 排水に、たくさんの汚れがふくまれていないかを検査しています。
大気や水の環境を調査する
川崎市内の各区で大気の様子を24時間測定し、監視したり、川や海の水質やどんな生き物が生息しているかも調査しています。調査結果はインターネットなどで市民のみなさんにお知らせしています。
調べてみよう!
ただいまの大気環境を見る
川崎市内の空気の様子(よごれているかどうか)は、こちらから調べることができます。みなさんが住んでいる場所の近くのデータを見てみましょう。1時間ごとに更新しています。
大気環境情報(年度毎の測定結果)を見る
大気環境は昔から測定していて、その変化をまとめたグラフをこちらから見ることができます。大気汚染物質には様々な種類があります。例えば「窒素酸化物」「浮遊粒子状物質(SPM)」「二酸化硫黄」「光化学オキシダント」などのグラフは、どのように変化しているでしょうか。
河川と海域の水質測定結果をみる
川崎市内を流れている川や海の水質を毎月(または季節ごとに1回ずつ)測定しています。測定した結果は、こちらから調べることができます。
大気や水の監視・調査
決められた測定場所に行って、空気の状態の測定がどのように行われているかや水質調査の様子を取材しました。
環境にやさしい交通手段をひろめる
有害な排出ガスを出さない電気自動車、燃料電池自動車などの次世代自動車の利用を促しています。また、「エコドライブ」を呼びかけたり、駐輪場や自転車専用レーンの整備など自転車を活用したまちづくりをすすめたりしています。
下水道を整備する
市内に下水道をつくり、家庭からの排水などは下水処理施設できれいに処理してから、海や川へ流すようにしています。